Integrated IS-IS の基本設定

Integrated IS-IS を検証してみました。基本的な設定をまとめます。

検証トポロジー

以下のトポロジーで Integrated IS-IS を設定しました。

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ルーター (RT) のパラメータは次の通りです。Area ID、System ID、Level については後述。

Area ID System ID Level
RT1 49.0001 0000.0000.0001 L1-L2
RT2 49.0001 0000.0000.0002 L1
RT3 49.0001 0000.0000.0003 L1
RT4 49.0002 0000.0000.0004 L1-L2
RT5 49.0002 0000.0000.0005 L1
RT6 49.0002 0000.0000.0006 L1

Integrated IS-IS の概要

IS-IS は OSI のルーティングプロトコルなので、IP をルーティングすることはできません。Integrated IS-IS は IS-IS で IP をルーティングするために IS-IS を機能拡張したプロトコルです。以後、Integrated IS-IS と IS-IS は区別せずに、IS-IS と記載します。

NET (≒ OSPF の Router ID)

IS-IS では Network Entity Title (NET) と呼ばれるアドレスで各ノードを識別します。NET は 8〜20 byte で、Area ID, System ID, NSEL から構成されます。アドレスは 16 進数で記載します。

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  • Area ID : 可変長
    • IS-IS のエリア。
    • 0x49 はプライベートアドレスを表す。
  • System ID : 6 byte
    • MAC アドレスや IP アドレスが使われることが多い。
    • 本検証だと、1〜6 を指定。
  • NSEL : 1 byte

Level

IS-IS では、Area 内のルーティングを Level1 ルーティングと呼ばれ、Area 間のルーティングは Level2 ルーティングと呼ばれます。

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IS-IS の設定

IS-IS の設定は以下の通りです。

  • ルーター上で IS-IS の有効化
    • NET の割当
    • level の設定
  • Interface で IS-IS の有効化

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ルーティングテーブルの確認

Level1-2 で動作している RT1 は別エリアのルートを受け取っている一方で、Level1 の RT3 は自分のエリアのルートしか持っていないことがわかります。

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まとめ

基本的な IS-IS の設定と、動作確認を行った結果をまとめました。 IS-IS は実際に使われているところは見たことがありませんが、興味があったので動かしてみました。今後触ることがあれば、もっと深く勉強してみようと思います。